フヂちゃん56:人の心、鳥の声

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フヂ鳥のそばを、数羽のヒゲツルミが急降下してすり抜けた瞬間、フヂ鳥は体中に鋭い痛みを感じた。

フヂ鳥:「キュイッチ!(痛い!)」

ヒゲツルミ達は急降下ですり抜けざまに、自分の鋭く硬い風切り羽をフヂ鳥の身体に当てて、傷を付けていたのでした。

可哀想に、何が自分の身に起こっているのか解らぬままに、繰り返されるヒゲツルミの攻撃を受け続けるフヂ鳥。

続く攻撃に思わず高度を低くすると、ヒゲツルミ達の急降下攻撃が止みました。一瞬安堵したものの、今度は横からクチバシ攻撃が加えられます。

すると、それまで恐怖ばかりだった心に、怒りが湧いてきたフヂ鳥は、近付いてくるヒゲツルミに対して、勇敢に体当たりを加え始めました。

元々人間だったフヂ鳥は、普通の鳥には出来ない翼の使いで、器用にヒゲツルミの身体を森の梢に引っ掛けては、落として行きます。

しかし、これで更に敵意を抱いたヒゲツルミ達は、いよいよ、容赦無い攻撃を、フヂ鳥に加えました。

傷の痛みと弱って行く心に、フラフラになりながら、ふと、フヂ鳥はある言葉が、心の中に浮かんできたのです。

フヂ鳥:「おとう・・・さん・・・おかあ・・・さん。」

しかし、今は鳥になったフヂちゃんの口からは、キィキィと、か細い鳥の声が、出てくるだけでした。

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どうなる、フヂちゃん。
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by yamadorikoubou | 2012-08-19 01:30 | フヂちゃん