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フヂちゃん62:ちょうど良いカバン掛け

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フヂちゃんは魔女の手下、ソデムの姿になっています。魔女が魔法をかけたに違いありません。フヂちゃんは魔女の奴隷として、一生働かされるのでしょうか?

魔女:「驚いてる暇は無いよ。さっさと云われた事をしなさい。」「そのベットと布団と枕は、これからアンタが使う物だからね。自分で運ばなくて誰が運ぶかね?」

木のベットは組み立て式になっていて、分解と結束を手下の一人が手伝ってくれます。

フヂちゃん:「ありがとう。でも、どうして私、こんな所でこんな姿をしてるのか、教えてくれない?」

フヂちゃんはまだ、鳥になったショックから立ち直っていないようで、状況が呑み込めていないようです。しかし手下のソデムは何も話してくれません。フヂちゃんは込み上げてきた悲しい気持ちで、胸がいっぱいになりました。

するとそこに背広の男が現れて、フヂちゃんに話しかけました。

男:「お嬢ちゃん、大事な物をお忘れだよ。」

それはフヂちゃんの肩掛けカバンでした。それを見たフヂちゃんは自分が誰で、何があったのか、思い出して来たのです。

フヂちゃん:「わたしのカバン!」

男:「返してあげようねぇ・・・がしかし、こりゃあ手が塞がってしまって、大変だねぇ。」「おや?こんな所にちょうど良いカバン掛けがあるよ。」

そう云って男は、フヂちゃんの尖った鼻に、カバンの紐をかけました。すると、フヂちゃんの眼からは大粒の涙がポロポロと、ながれたのでした。

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泣かないで、フヂちゃん。
by yamadorikoubou | 2012-11-22 00:38 | フヂちゃん