フヂちゃん65:わかったかい、バンコ
フヂちゃんを、悲鳴ごと呑み込んだカワセミ号は、貨物ハッチを閉じました。
魔女:「総員乗船、配置に付け。」
手下達は、次々にカワセミ号の船内に入って行きます。最後に乗り込んだのは背広の男でした。
魔女:「アンタのせいで、随分予定が狂ったよ。」「本当に、いつまで経っても使えない男だねぇ。」
男:「女の子をさらうなんて、気が向かなくてねぇ。」「それにタバコが吸えなくてねぇ・・・」
魔女:「ゴタゴタ云ってないで、さっさと中にお入り。」「それからね、今度私の船でタバコ吸ったら、すぐに外に放り出すからね。」「わかったかい、バンコ!」
バンコと呼ばれた男は、シブい顔をしながら船の中に入って行きました。
バンコ:「ああ、わかったよ・・・。」
魔女:「本流までは葉面航行、両翼巡航速度3あげ、見張りは特に上空警戒。」「この辺の森には馬賊は居ないがね、レンジャーの追っ手がかかってる筈だよ。」
カワセミ号は、浮かせた船体を大きく傾けて急旋回すると、落ち葉の川に向かって飛んで行きました。
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by yamadorikoubou
| 2012-12-02 21:07
| フヂちゃん