カテゴリ:フヂちゃん( 66 )

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フヂ鳥のそばを、数羽のヒゲツルミが急降下してすり抜けた瞬間、フヂ鳥は体中に鋭い痛みを感じた。

フヂ鳥:「キュイッチ!(痛い!)」

ヒゲツルミ達は急降下ですり抜けざまに、自分の鋭く硬い風切り羽をフヂ鳥の身体に当てて、傷を付けていたのでした。

可哀想に、何が自分の身に起こっているのか解らぬままに、繰り返されるヒゲツルミの攻撃を受け続けるフヂ鳥。

続く攻撃に思わず高度を低くすると、ヒゲツルミ達の急降下攻撃が止みました。一瞬安堵したものの、今度は横からクチバシ攻撃が加えられます。

すると、それまで恐怖ばかりだった心に、怒りが湧いてきたフヂ鳥は、近付いてくるヒゲツルミに対して、勇敢に体当たりを加え始めました。

元々人間だったフヂ鳥は、普通の鳥には出来ない翼の使いで、器用にヒゲツルミの身体を森の梢に引っ掛けては、落として行きます。

しかし、これで更に敵意を抱いたヒゲツルミ達は、いよいよ、容赦無い攻撃を、フヂ鳥に加えました。

傷の痛みと弱って行く心に、フラフラになりながら、ふと、フヂ鳥はある言葉が、心の中に浮かんできたのです。

フヂ鳥:「おとう・・・さん・・・おかあ・・・さん。」

しかし、今は鳥になったフヂちゃんの口からは、キィキィと、か細い鳥の声が、出てくるだけでした。

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どうなる、フヂちゃん。
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by yamadorikoubou | 2012-08-19 01:30 | フヂちゃん
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いっぽうフジ鳥(ふじちょう)は、魔法の森の西の空深く目指して飛び続けています。

翼の羽ばたきも、生まれた時からそうしてきたかのように、自由に使いこなせるようになりましたが、しかしそうやって、上手く飛べるようになればなるほど、元の自分の記憶が薄らいで行く事には気がつきません。

ただ何となく、自分の大事な物が、この空の先に消えて行ってしまった、その思いだけは強まるばかりです。

そんなフヂ鳥の頭の上を飛ぶ、黒い鳥の影がありました。いつも群れで行動し、縄張り意識が強いヒゲツルミの群れです。

そうと知らずに、ヒゲツルミの縄張りに入ってしまったフヂ鳥。ヒゲツルミ達は、カバンを首にかけた変てこな鳥を見つけると、早速にもちょっかいを出さずには、いられませんでした。

ヒゲツルミのリーダー:「オマエら、あのバカ鳥に教育してやれ!」

ヒゲツルミ達は、フヂ鳥の上空から一斉に、襲いかかりました。

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フヂちゃんアブナイ!
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by yamadorikoubou | 2012-08-18 00:33 | フヂちゃん
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司令所:「巡視3号、こちら、司令本部」「緊急捜索命令」

司令所:「捜索目標は女の子、名前はフヂちゃん」

司令所:「現在は、魔女の魔法で鳥に姿を変えられて、行方不明中」

司令所:「特徴、ポニーテールと首から下げた布カバン」

司令所:「捜索重点地域は西海に流れる落ち葉の大河」

司令所:「至急、探鳥を使い、川上より捜索せよ」

巡視3号:「本部、こちら、巡視3号」「緊急捜索命令、了解」

巡視員:「特徴は、ポニーテールとカバンだよ。」「そんな鳥を見つけたら、すぐに知らせるんだ。」「それから、魔女にも気をつけてな。」

探鳥(たんちょう)達は、巡視員の指示を聞くと、直ぐにも西海方面に向けて、飛び立っていきました。

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見つかると、いいね。
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by yamadorikoubou | 2012-08-13 02:21 | フヂちゃん
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レンジャー:「おそらく、魔女に使われていたというソドム達が、命を吸い取られた子供達の成れの果てでしょう。」

お父さん:「ああ、大変だ。」「早く、娘を取り返さないと。」

お母さん:「飛んで行った娘の行き先は、解りませんか?」

レンジャー:「この森までは、魔女は船で移動してきた筈です。」「森の獲物を運ぶには、船が一番です。」

お母さん:「娘は、その船のある川まで飛んで行った、という事ですね。」

レンジャー:「それに、魔女達が住む森はここから遥か遠い。」「娘さんが鳥になったとはいえ、長距離飛行は変身してすぐは難しい。」

レンジャー:「問題は、その川がどの川か、という事です。」「ここの森海はあまりに広く、流れる川も沢山あります。」

お父さん:「落ち葉の大河はどうでしょうか?」「ああいった魔女なら、水の川より、魔力の強い落ち葉の大河を好みそうですが。」

レンジャー:「そうかもしれません。」「娘さんは確か、西の方角に飛んで行ったのでしたね・・・」

レンジャーは地図を広げて、フヂ鳥の向かったと思われる、落ち葉の大河を探し始めました。一方、彼の部下は、のん気にキリンの乗り者に餌を与えています。

お母さん:「ああ、フヂちゃんも、お腹を空かせてなければ、いいけれど・・・」

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心配です。
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by yamadorikoubou | 2012-08-12 02:23 | フヂちゃん
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フヂちゃんの父さんと、母さんが、我に返った時には既に、ボタンの魔女の姿は消えていました。大勢居た筈の手下のソデムの姿も見えません。

お父さん:「ああ、しまった!やられたなぁ・・・」

お母さん:「早く追いかけないと、あの子一人では、元に戻れないわ。」

お父さん:「あの魔女の正体がなんなのか、それが解らないと、今はどうしようもないよ。」

そのとき、坂の上からペタペタと山を下りてくる乗り者がありました。

レンジャー:「我々は森林レンジャーです。」「先程この付近で爆発音がしましたが、何かありましたか?」

お父さんは今さきほどの出来事を、手短にレンジャーに話して聞かせました。

お父さん:「どうか、娘を連れ戻すのを手伝ってください!」「それから、あの魔女は一体何者か、ご存知ですか?」

レンジャー:「娘さんの捜索は、もちろん我々も協力しますよ。」

レンジャーは、後ろの部下に命じて、フヂちゃん捜索依頼の無電を打たせました。トトトツー・トトトツー・・・。

レンジャー:「それと、そのボタン好きの魔女はおそらく、ソナチネでしょう。」「ソチと魂の交換をした人間です。」

お父さん:「魂を交換すると、どうなるんですか?」

レンジャー:「強い魔力を得る事が出来ますが、そのかわり、ソチと同じくらいに寿命が短くなる。」「それで、子供をさらっては、その生命力を吸い取って、自分の命を補填するのです。」

お父さん/お母さん:「えー!!!」

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さあ、大変!
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by yamadorikoubou | 2012-08-11 01:56 | フヂちゃん
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魔法の森の、大地の噴気に押し上げられて、木の葉と一緒に空高く、高く舞い上がったフヂちゃんの身体は、ちょうど群れ飛ぶ渡り鳥の姿を借りたように、翼を持つトリの姿に変わって行きました。

「フヂちゃ〜〜〜ん!!」眼下の森の奥からは、フヂちゃんのお父さんとお母さんの、叫ぶ声がかすかに聞こえてきます。

フヂちゃん:「あれ?・・・わたし、あの声を知ってる気がする。」

フヂちゃんの人間の時の記憶は、すでに薄らいできています。

フヂちゃん:「そうだ、あの葉っぱ。あれを追いかけなけりゃ!」

風に飛ばされて行く葉っぱの行方を追って、フヂちゃんは強くはばたきました。

地上では、フヂちゃんのお父さんとお母さんが、肩掛けカバンを首にかけたオカシなトリの姿を、呆然として眺めて・・・いました。

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この先、どうなるんでしょうか。
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by yamadorikoubou | 2012-08-09 23:48 | フヂちゃん
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フヂちゃん:「あ〜!毛布が!!」

ハラハラと小さく裂けた毛布のカケラは、木の葉のように宙を舞い、風にさらわれて、天高くのぼっていきます。

フヂちゃん:「わたしの毛布!」

フヂちゃんが、飛び去る毛布のカケラを掴み取ろうと、手を高くのばしたそのままに、身体が宙に浮いたかと思うと、

「ボッフーン!!」と、フヂちゃんの足下から大きな音の聞こえと、強い風の運びがして、その小さな身体は空高く、飛ばされていきました。

お父さん、お母さん:「あ〜!フヂちゃん!!」

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さあ大変!
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by yamadorikoubou | 2012-08-08 00:20 | フヂちゃん
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魔女:「使い道は色々あるけどねぇ・・・絵筆にしてやると、絵描きが欲しがるね。」「何でも思い通りの色が出てくるらしいよ。」

フヂちゃん:「え〜、それって何だかズルい!」

魔女:「そうかい?」「でも一番多いのは、房飾りにしてから、まじないをかけて、魔除けに使うんだよ。」

フヂちゃん:「どうして魔女が魔除けの飾りを作るの?」

魔女:「兵隊の槍を止めるのは、兵隊の盾だろう?・・・当たり前の事だよ。」「それより、お嬢ちゃんのカバンに付いてる房飾りは、ヒゲじゃあ無いようだね。」

フヂちゃん:「違うよ、お母さんが糸で作ってくれたの。」

魔女:「それぢゃあ、大変だ。」「森の魔法はね、女の子のカバンの中で、悪さをしたがるよ。」「中のものは大丈夫かねぇ・・・大事なものが入ってるんだろう?」

魔女にそう云われて、カバンのフタを開け、中に入れてた大事な毛布を取り出すフヂちゃん。とたんに、毛布がボロボロにほつれて、小さな破片になって風に飛ばされて行きました。

フヂちゃん:「あ〜!私の毛布が!!」

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お久しぶりです。
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by yamadorikoubou | 2012-08-02 19:37 | フヂちゃん
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魔女:「そりゃあ、お仕事に使うんだよ、お嬢ちゃん。」

フヂちゃん:「どんなお仕事?」

魔女:「隠れてする仕事だから、あんまり他人には云えないけどね。」「お嬢ちゃんには特別に、少し教えてあげようか。」

フヂちゃん:「うん、知りたい!」

魔女:「例えば、女の子のヒゲの先を、チョキンとハサミで切って、失敬したりするね。」「それも、身分の高い女の子ほどいいね。」「例えば、どこかの国の王女様のヒゲとか・・・」

フヂちゃん:「え〜、女の子にヒゲなんて、生えないのに!」

魔女:「あれ、この子は、世の中の事は何でも知ってるような、口ぶりだね。」「自分にヒゲが無いからって、どうして他の子にヒゲが無いって、云えるんだい?」

フヂちゃん:「・・・・・」

お父さん:「ヒゲの生えた王女様って、どちらの国の方ですか?」

魔女:「それは云えないよ。」「何せ珍しいヒゲだからね、みんなが欲しがるから、王室も警備を固めていてるけれど、私のカクレミノがあれば、なんて事ないさ。」

お母さん:「それで、切ったヒゲは、どうされるんですか?」

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ヒゲの王女
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by yamadorikoubou | 2012-02-16 03:06 | フヂちゃん
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魔女:「そ〜んなこと!」「ただの女の子に、教えられないね。」

フヂちゃん:「・・・」

魔女:「お嬢ちゃん、魔法の材料や方法はね、大人のだ〜いじな秘密だから、簡単に他人に教えちゃいけないんだよ。」

お父さん:「そりゃあ、私も残念だな。」

魔女:「ウフフ、でもねぇ、お嬢ちゃんのその格好が、私は気に入ったからね。」「少しだけおしえてあげても、いいよ。」

フヂちゃん:「うん、知りたい!」「それぢゃあ、あの、後ろのソデムが背負ってる包みは何?」



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魔女:「あれはね、ミノガのミノ綿が入ってるんだよ。」「・・・千匹分はあるかねぇ。」

フヂちゃん:「ミノ綿で、何を作るの?」

魔女:「そりゃあ、隠れミノさ!」「この森で採れる、ミノ綿で作った隠れミノが、一番上等なんだよ。」

フヂちゃん:「カクレミノって、なに?」

魔女:「姿が見えなくなる着物さ。」「一着分作るのに、ミノ綿が7千匹分は必要かね。」

お父さん:「じゃあ、足りないんですか。」

魔女:「いやいや、あれは補修分だよ。」「色々使って、痛むからねぇ。」

フヂちゃん:「使うって・・・何に使うの?」

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何に使おう?
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by yamadorikoubou | 2012-01-09 01:01 | フヂちゃん