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男:「お嬢ちゃん、良く覚えてたねぇ。」「古本町の駅で、一緒に電者に乗ったねぇ。」

フヂちゃん:「そのタバコの変な臭いで思い出したの。」「オジサン、だれ?」

フヂちゃんからの質問を聞いた男は、渦巻く眼をグルグルさせながら、イライラとした口調で云いました。

男:「それはねぇ・・・誰だろうねぇ・・・ワタシは一体、誰なんだろうねぇ・・・・」

魔女:「その男は、昔を無くしているんだよ。」

カワセミ号の上から、魔女が云いました。「昔を無くす」なんて、変な言い方だなってフヂちゃんは思いました。

魔女:「それより、さっさと荷物を船に積み込みなさい。」

フヂちゃんの背負っていたベットと布団と枕は、カワセミ号の腹のハッチの中から伸びてきた、三本指の手に掴み取られて、船の倉庫に吸い込まれて行きました。

やっと、鼻にかかっていたカバンを外すと、ハッと何かに気が付いて、カバンの中を開けて見ようとするフヂちゃん。

フヂちゃん:「もうふ!!」

魔女:「さあ、アンタが最後の荷物だよ。」

三本指は、カバンを開けようとするフヂちゃんを捕まえて持ち上げると、カワセミ号の腹の中に放り込みました。

フヂちゃん:「きゃあ!!」

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オジサンの正体は?
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by yamadorikoubou | 2012-11-28 20:08 | フヂちゃん
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涙の溢れる眼で、改めて男の顔を見たフヂちゃんは、その容貌の異様さに気が付きました。男の眼が、まるで渦巻き模様のように見えるのです。涙のせいかと思いましたが、そうではないようです。

よく見れば、渦巻き模様は目玉だけでなく、体中のあちこちに渦巻いてるようです。それが気味悪く、フヂちゃんはその男から遠ざかりたいと思う気持ちから、魔女のカワセミ号へ向かってヨタヨタ歩き出しました。

背負った荷物は重く、腕がちぎれそうです。鼻に掛けたカバンは軽かったのですが、臭いのきつい煙が漂ってきて、くしゃみを何回もする度に、鼻から落ちそうになるのでした。

漂う煙は、男が吸っている煙草の煙でした。男は自分がはいた煙に囲まれてご満悦です。そして傍に居た手下のソデムに向かって喋り始めました。

男:「ワタシは、この煙が無いと苦しくてねぇ。」「近頃はねぇキミ、電者に乗るのも禁煙でねぇ。」「もう、気が変になりそうだったよ。」

それを聞いて、フヂちゃんは思い出しました。今日、父さん母さんと一緒に電者に乗った事、降りてから山を歩いてた事、魔女に鳥にされてここまで飛んできた事、そして・・・

フヂちゃん:「私、オジサンの事知ってる!」「オジサン、私が電者に乗った駅で、一緒に電者に乗った人でしょう!」

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オジサンの正体は?
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by yamadorikoubou | 2012-11-24 23:43 | フヂちゃん
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フヂちゃんは魔女の手下、ソデムの姿になっています。魔女が魔法をかけたに違いありません。フヂちゃんは魔女の奴隷として、一生働かされるのでしょうか?

魔女:「驚いてる暇は無いよ。さっさと云われた事をしなさい。」「そのベットと布団と枕は、これからアンタが使う物だからね。自分で運ばなくて誰が運ぶかね?」

木のベットは組み立て式になっていて、分解と結束を手下の一人が手伝ってくれます。

フヂちゃん:「ありがとう。でも、どうして私、こんな所でこんな姿をしてるのか、教えてくれない?」

フヂちゃんはまだ、鳥になったショックから立ち直っていないようで、状況が呑み込めていないようです。しかし手下のソデムは何も話してくれません。フヂちゃんは込み上げてきた悲しい気持ちで、胸がいっぱいになりました。

するとそこに背広の男が現れて、フヂちゃんに話しかけました。

男:「お嬢ちゃん、大事な物をお忘れだよ。」

それはフヂちゃんの肩掛けカバンでした。それを見たフヂちゃんは自分が誰で、何があったのか、思い出して来たのです。

フヂちゃん:「わたしのカバン!」

男:「返してあげようねぇ・・・がしかし、こりゃあ手が塞がってしまって、大変だねぇ。」「おや?こんな所にちょうど良いカバン掛けがあるよ。」

そう云って男は、フヂちゃんの尖った鼻に、カバンの紐をかけました。すると、フヂちゃんの眼からは大粒の涙がポロポロと、ながれたのでした。

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泣かないで、フヂちゃん。
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by yamadorikoubou | 2012-11-22 00:38 | フヂちゃん